誰もが「防災」についてはとても重要なことだと認識しながらも、災害時には、色々な「防災グッズ」の備えなどが有効だとわかってはいても十分に備えが出来ている方は少ないのではないでしょうか?
また、被災時に大きな問題となる事として避難場所の問題も挙げられます。
・最低限のプライベートスペース
・普通に座ったり寝ころべるスペース
・ある程度の荷物(貴重品)を置いておけるスペース
災害時の避難場所では、たったこれだけの「一人あたりの生活スペース」を確保する事が難しいというのが現実です。
そこで、実際の避難生活においても自動車を避難場所として「車上生活・車中泊」をされる方々が多いという事に注目して災害対策を考えてみたいと思います。
自動車の車内は、いざとなればエアコンを使用出来るし施錠も出来る。しかも移動も可能なスペースです。また、連続する振動にも強い金属性のボディーや、サスペンションを搭載しているので強力な免震構造も持ち合わせている。
そんな『自動車』は災害時の避難場所として非常に有効だと考えられます。
連続する地震等によって自宅が倒壊するかもしれないリスクにさらされている場合でも家を離れにくい場面もあるでしょう。『自動車』は日頃から身近に置いてある物であるのもポイントです。
少し気を付けなくてはならない事は、自動車の車内は車上生活や就寝する為のスペースとしては、かなり特殊な空間だという事で、以下のような点が問題となって快適に長時間滞在するには不向きと言えます。
■シートの上に居続けるとエコノミークラス症候群の恐れがある(十分な対策を取っていない車中泊では一晩寝るだけでも体がキツイ)
■ガラスから内部が丸見えなのでプライバシーの確保に工夫が必要
■断熱性・遮音性があまり良くない
■基本的には網戸が無いので換気をしにくい
車内に滞在する事をレジャーとして楽しむ『車中泊』は、近年アウトドアブームと共に人気が上昇しましたが、実は快適に『車中泊』をしようとしてみると様々なグッズやテクニックの蓄積が必要だと気付くと思います。
これらの『快適な車中泊をする為のグッズやテクニック』は、そのまま『災害時に自動車を快適な避難所として使用する為のグッズやテクニック』と言い換えても遜色は無いのではないでしょうか?
▼例えば「車中泊グッズ」の一例としてはこんな物が挙げられます。
シェード:車中泊用の、ガラス全面に取付けられる物がお勧め。
エアーマット:車内にフラットスペースを作成するのに使用。
ベッドキット:1BOXバンの場合にはベッドキットもお勧め。2段ベッド仕様の物も。
寝具:通常の布団はかさばるので、寝袋等の方がベター。
換気用品:車用の網戸
電源:ポータブル電源(ソーラーパネルもセットがベター)
電化製品:換気扇、扇風機、電気毛布等(小型で省電力な物が望ましい)
日用品:歯ブラシ、食品、飲料水・・等々
皆さんも日頃のレジャーや車旅の一環としてからでも、是非とも『車中泊』を体験しながら、災害対策についても考えてみて下さい。備えは多いほど良いのですから。
少なくとも、災害時の避難場所として「自動車」が役立つなら、「キャンピングカー」なら更に役立つといえるでしょう。キャンピングカーにはちゃんとした居住空間があるので『居住性』が通常の自動車に比べると段違いに高いからです。
アウトドアブームで人気に拍車が掛かった「キャンピングカー」ですが、実は災害対策・防災用品としてもかなり有用な存在だと期待される様になって来ています。
ここからは、災害時のキャンピングカーの有効性に注目してみましょう。
そんな考えを基に、キャンピングカーを大きな「災害対策品」「防災グッズ」『移動式 防災シェルター』として役立てられるように、弊社で販売中の軽トラキャンピングカー『トラベルハウス』を題材に災害時のキャンピングカーの有用性についた考察してみます。
キャンピングカーなら“色々な安心”を確保できると思います。
『トラベルハウス』には通常の車に比べて高い遮音性能と完全に施錠できる窓やドアが付いている事の安心感が大きい。標準仕様でも、すりガラス窓が搭載されているので、プライバシーも保つことが出来ます。
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集団での避難生活においては、単にプライベートなスペースを確保する事だけでも難しいでしょう。こんな場合、やはり自動車で「車中泊」が出来れば役立つことでしょう。
通常の車の場合は、ガラス部分が壁面の大きな割合を占めているので、プライバシーの保護の難易度は高いです。(自動車取付け用の)ガラス全面シェードや網戸を用意する事で快適さを向上することが出来ます。
(写真)室内に設置されているのは『トラベルハウス』純正オプションの『L型BOX椅子』
大人二人がゆったりと腰かけられます。また、軽トラ キャンピングカーでありながら『トラベルハウス』の室内高は175cm位有るので大人が立ち上がる事も出来ます。居住スペースが広めに設定されている事がキャンピングカーの強みです。収納スペースに生活用品を多めに積み込めたりするのもメリットです。
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長時間の避難生活について考えると、普通に腰かけられるというのは中々大切な事だと思いませんか?地域の学校の体育等での避難生活の場合、基本地べたに座り続けて生活するのはかなり体に負担が掛かることが想像できます。
また、通常の自動車について車上生活する場合においては車のシートは長時間座り続けるには余り向いておらず、立ち上がれる様な広いスペースの確保は難しいでしょう。
多くのキャンピングカーにはしっかりとした「就寝スペース」が確保されています。この部分が通常の車との居住性においての一番の違いなのかもしれません。写真は軽トラキャンピングカー『トラベルハウス』純正オプションの2階ベッドです。1階部分と合わせると広い就寝スペースを確保できます。
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通常の車の車中泊で最も手間がかかる部分が、就寝スペースを用意する事かもしれません。車のシートは凸凹としており長時間就寝するのには不向きです。就寝スペースの確保にはエアーマット等を利用して凸凹を少なくし出来るだけフラットな床面を作る必要が有ります。災害時の車中泊においては「車内では足を高くして滞在するべき」と言われるのも、こうした事でエコノミー症候群のリスクが減らせるからです。
イメージは『トラベルハウス』の壁面構造です。日本には四季があり室温管理は非常に大切です。また、遮音性が高くないと室内の快適さやプライバシーの確保に問題が出ます。キャンピングカーの場合、室内の断熱性能や遮音性能が高い物が多いので就寝時の快適さも段違いな「居住性」に恵まれます。
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通常の車は断熱性が低くカーエアコンOFFに従い急激な温度変化が起こるので、車中泊の際には大きな温度変化に合わせた対策が必要になります。(先述の「車中泊グッズ」等があれば少しは安心です)
また、カーエアコンの使用に際しては車のエンジンを掛けていないと稼働できないので、ガソリン等の燃料が確実に消費されるうえに、雪中の場合などには長時間のエンジン稼働が一酸化炭素中毒に繋がる危険性も有ります。
また、遮音性についても高くはないので快適に過ごすには色々な対策が必要です。
多くのキャンピングカーには電源(サブバッテリーシステム)や明るい室内照明が搭載されています。被災時に携帯電話の使用やテレビ・ラジオからの報道情報の確保が出来る体制が有る事、室内の温度管理の為に扇風機や電気毛布などを稼働させられる利点は計り知れません。但し、これらを長時間作動させるには大きな電力が必要となるのが注意事項です。
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通常の車で車中泊する場合でも、ポータブル電源を持ち込んで使用してみれば段違いに快適になる事が判ると思います。
最近のポータブル電源は著しい進化を続けており、車に搭載する際に安全性が高い「リン酸鉄バッテリー」搭載モデルかつ可能な限り大容量の物がお勧めです。
キャンピングカーに大容量のサブバッテリーシステムを搭載していても、日常生活と同条件の電力を使用すれば、蓄えられた電力だけなら、あっという間に枯渇するほど脆弱です。その為、大体のサブバッテリーシステムについては「発電装置」もセットされているかと思うのですが、発電方法による特性にも注目するべきです。
●走行充電・・キャンピングカーのエンジンに搭載されている発電機から、エンジン稼働時に発電される電力をサブバッテリーへと充電します。発電量は多めですが車の燃料と引換えの発電になるので、燃料インフラにも問題が起こる災害時においては使用が制限されるのがデメリットです。
●ソーラー充電・・キャンピングカーの屋根上にソーラーパネルを搭載し太陽光発電によりバッテリーを充電。天気によって電力に波が出るのがデメリットですが、騒音も無く、燃料等の消費も無く、ほぼ無尽蔵にエネルギーが得られる事が大きなメリットとなります。ソーラーパネルは可能な限り性能が高い物が良いです。
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走行充電やソーラーパネルから給電が受けられる「ポータブル電源」をお持ちの場合、設置工事を行えば通常の車においてもこれらの「充電システム」を搭載する事が可能です。レジャー使用からでも良いので搭載してみるのが災害対策として役立つかもしれません。
災害時にキャンピングカーを所有していたら、このような様々な恩恵にあやかれるかもしれません。もし、キャンピングカーをレジャー使用を想定して購入される場合でも、災害対策の事も視野に入れて装備等を考えてみるのも良いかと思います。
先述した様に、災害時に「電力」が使える事はとても大切な事です。
しかし、災害時にライフラインが断たれた場合には「電力」以外にも様々な物が必要となります。
例えば、携帯電話・スマホ・TV・ラジオ・水・食料・ウェットティッシュ・除菌剤・マスク・・これ以上、羅列する事は控えますが、いわゆる市販の「防災グッズ セット」等はよく考えて構成されているので、人数分の必要分を確保し維持していく事をお勧めします。
もし、被災時の「車中泊」(キャンピングカーの場合も含む)の場合にでも、やはりこれらは必要です。
災害時にはガソリンなど自動車燃料の供給が得られない状況も想定されますので、「車中泊」をせざるを得ない状況において自動車のエンジンすら掛けられなくなってしまうデメリットを少しでも遠ざける為に常日頃から車に十分な燃料を入れておく事が有効です。(燃料タンクが満タンに近い状態を心掛ける)
EV(電気自動車)の一部には、車に蓄えられた電力を家庭用として給電出来る機能が備わっていたりします。また、ハイブリッドカーの一部には、車を発電機として運用できる様な装備を搭載できる物も出て来ました。こんな事からも災害時に車が役立つ場面は更に増えてくるでしょう。
但し、EVの場合は蓄えられた電力を消費するほど、ハイブリッドカーの場合は発電の為に燃料を消費するほど、走行する為(移動する為)のエネルギーを消費している事になります。これら給電や発電の機能は計画的に使用しなくてはならないと思います。
車中泊で役立つ可能性がある「自動車」については常日頃のメンテナンスを大切にしましょう。普段はなくてはならない程に便利な存在である自動車ですが、バッテリーあがり等の軽微な不調からでも全くその場から動けなくなってしまうと、いっそその場に存在しない方が助かると思ってしまう程の「大きなお荷物」と化してしまう事態に陥りかねません。(自動車整備士である筆者は頻繁にそんな場面に立ち会うのです)
災害時の自動車の不調は平常時に増して大きな問題となるでしょう。
自動車産業に関わる人間として、災害時の「車中泊」「キャンピングカー」の有用性について考察してみたのですが、正直、災害時には何が起こるかは全く判りません。
今回の様な考え事なども全く役に立たない想定外の状況に陥る可能性も有るかもしれません。
ただし、備えは多ければ多い方が色々な状況に対応し易くなるのは確かだと思います。是非とも日頃から防災の意識を高くお持ち下さい。
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